現在、株式投資に使える分析アプリを作ろうとしています。
前回は、清原達郎さんの『わが投資術』を参考に、PER・NCR・CN-PERなどを使った割安株の探し方についてまとめました。
割安な会社を数値から探す方法は、少しずつ分かってきました。
しかし、割安だからという理由だけで、その会社の株価が今後上がるとは限りません。
そこで次に知りたいと思ったのが、
今後伸びる会社は、どうやって見つければよいのか?
ということでした。
今回は、ピーター・リンチさんの著書『ピーター・リンチの株で勝つ』を読み、私が成長株探しに取り入れたいと感じた内容をまとめます。
この記事は、書籍の内容をそのまま紹介するものではありません。私が気になった部分を抜粋し、自分なりの解釈で整理しています。
詳しい内容はYouTube動画でも紹介しています。
私がこの本を読んだ理由
前回の『わが投資術』を読んだことで、会社が現在割安かどうかを調べる考え方は、少し分かってきました。
一方で、
- どの会社が今後成長するのか
- 利益の成長が続く会社をどう見分けるのか
- 成長株をどこから探せばよいのか
という部分は、まだよく分かりませんでした。
そこで、ピーター・リンチの考え方から「伸びる会社を見極める方法」を学びたいと思い、この本を読みました。
成長株を探す8つの流れ
今回の資料では、成長株を探してから購入後に見直すまでの流れを、次の8段階に整理しました。
- 身近な商品やサービスから候補を探す
- 会社を6つのタイプに分類する
- 良い会社かどうかを確認する
- 成長率と割安度を数値で見る
- 会社の収益構造を調べる
- 財務状況を確認する
- 会社の成長ストーリーを作る
- 数か月おきにストーリーを再点検する
順番に見ていきます。
1.自分が良いと思う商品やサービスから探す
成長企業を探す入口は、必ずしも決算資料や株式ランキングだけではありません。
ピーター・リンチの考え方では、日常生活の中で実際に使った商品やサービスも、企業を見つけるきっかけになります。
例えば、
- 実際に使って良いと思った商品やサービス
- 周囲で評判になっている商品
- 利用者が増えていると感じる店舗
- 自分が詳しい業界の会社
などです。
普段の生活で、
この商品は便利だな
このお店は最近いつも混んでいるな
周りで使っている人が増えたな
と感じたとき、その商品やサービスを提供している会社を調べてみます。
個人投資家は、商品を実際に使った感想や、身近な変化に気づけることが強みになるのだと思いました。
ただし、商品が好きだからという理由だけで株を買うわけではありません。
身近な気づきは、あくまで調査する会社を見つける入口です。
2.会社を6つのタイプに分類する
気になる会社を見つけた後は、その会社がどのようなタイプなのかを考えます。
資料では、会社を次の6種類に分類しています。
| 分類 | 特徴 | 投資のイメージ |
|---|---|---|
| 低成長株 | 成長しきった大企業。配当が魅力 | 配当を重視 |
| 優良株 | 安定して成長する大型株 | 手堅い成長 |
| 急成長株 | 小型・中型の高成長企業 | 大きな成長の候補 |
| 市況関連株 | 景気によって業績が変動する | 売買時期が重要 |
| 業績回復株 | 問題を抱えているが、回復の可能性がある | 高リスク・高リターン |
| 資産株 | 保有資産が市場から十分評価されていない | 割安株投資向き |
会社を分類する理由は、タイプによって確認すべきポイントが違うからです。
例えば、急成長株であれば利益成長が続いているかが重要です。
市況関連株であれば、業績が景気のどの段階にあるかを確認する必要があります。
資産株であれば、保有資産と時価総額の関係を見ることになります。
すべての会社を同じ基準だけで判断するのではなく、まず会社の特徴を理解することが大切だと感じました。
3.「良い会社か」という観点で確認する
会社を分類したら、その会社に投資対象としての魅力があるかを確認します。
資料では、次のような特徴が挙げられています。
- 機関投資家やアナリストからあまり注目されていない
- 一般的なイメージが華やかではない
- 特許などにより独占しやすい事業を持っている
- 消費者が継続的に購入する商品を扱っている
- テクノロジーを作る会社ではなく、うまく利用する会社
- 自社株買いを行っている
特に興味深かったのは、人気企業だけが良い投資先ではないという点です。
会社の名前が地味だったり、業界の印象が華やかでなかったりすると、投資家から注目されにくいことがあります。
しかし、事業自体が安定して利益を出しているなら、注目されていないことが投資機会になる可能性があります。
また、同じ商品を繰り返し購入してもらえる会社は、売上が継続しやすいと考えられます。
一度購入したら終わりの商品より、定期的に必要になる商品やサービスの方が、将来の収益を予想しやすい場合があります。
4.現在の成長率と割安度を数値から見る
良さそうな商品や会社を見つけても、本当に業績が成長しているかは数値で確認する必要があります。
資料では、主に次の成長率を確認しています。
売上高成長率
売上高が伸びているかを確認します。
売上高が増えている場合、
- 商品の利用者が増えている
- 店舗数が増えている
- 会社が参入している市場が拡大している
などの可能性があります。
ただし、値上げだけで売上高が増えていることもあるため、売上の増加理由まで確認する必要があります。
営業利益成長率
営業利益は、その会社の本業によって得られた利益です。
営業利益が増えていれば、
- 商品やサービスの収益性が上がった
- コスト削減が進んだ
- 利益率の高い事業が伸びている
など、本業が強くなっている可能性があります。
EPS成長率
EPSは1株当たりの利益です。
会社全体の利益だけでなく、1株当たりの利益がどのように成長しているかを確認します。
PEGレシオ
成長率に対して株価が高すぎないかを見るために使うのがPEGレシオです。
資料では、次の式で整理しています。
PEGレシオ = PER ÷ EPS成長率
目安は次のとおりです。
- 2以上:割高
- 1以下:割安
- 0.5以下:かなり魅力的
例えば、PERが20倍でも、EPSが毎年40%成長しているなら、
20 ÷ 40 = 0.5
となります。
PERだけを見ると高く感じる会社でも、利益の成長率を考慮すると、それほど割高ではない可能性があります。
逆に、PERが低くても利益が成長していなければ、成長株としての魅力は低い場合があります。
そのため、PERと成長率を別々に見るのではなく、両方を組み合わせて考える必要があります。
※PEGの基準は、業種や成長の安定性によって見方が変わります。単独で投資判断を決めるものではなく、スクリーニングの目安として使う予定です。
5.会社がどうやって利益を増やすのかを調べる
現在の利益が伸びていても、その成長が続くとは限りません。
そこで、その会社が今後どのような方法で利益を増やすのかを考えます。
資料では、主に次の方法を挙げています。
- コストを削減する
- 商品やサービスを値上げする
- 事業を展開する市場を広げる
- 市場占有率を高める
- 赤字部門を閉鎖・売却する
例えば、店舗を増やす会社なら、
- 今後何店舗まで増やせるのか
- 新規出店した店舗も利益を出せているのか
- 出店できる地域がまだ残っているのか
を調べます。
値上げによって利益を増やす会社なら、
- 値上げ後も利用者が減らないか
- 競合商品に顧客が移らないか
- 何度も値上げできるほど商品に強みがあるか
を見る必要があります。
「利益が増える予定」と書かれているだけではなく、なぜ利益が増えるのかを自分の言葉で説明できるかが重要だと思いました。
6.財務状況に問題がないか確認する
成長している会社でも、財務状況が悪化している場合があります。
資料では、注意したい点として次の項目を挙げています。
- 短期借入金が多い
- キャッシュフローが悪化している
- 設備投資に多額の資金が必要
- 在庫が増えている
短期借入金が多い
短期間で返済しなければならない借入金が多いと、資金繰りに問題が起きる可能性があります。
利益が出ていても、手元の現金が不足すると経営が苦しくなる場合があります。
キャッシュフローが悪化している
損益計算書では利益が出ていても、実際の現金が増えているとは限りません。
売上が計上されても代金を回収できていなかったり、設備投資に多額のお金を使っていたりすると、現金は減る可能性があります。
在庫が増えている
売上の成長以上に在庫が増えている場合は、商品が売れ残っている可能性があります。
特に、流行の変化が早い商品や値下がりしやすい商品では注意が必要です。
成長率を見るだけでなく、その成長が無理なく続けられる状態なのかも確認したいと思います。
7.会社の成長ストーリーを作る
数値や事業内容を調べた後は、その会社の成長ストーリーを自分なりにまとめます。
確認する内容は次のとおりです。
- 会社の魅力は何か
- なぜ今後利益が増えるのか
- どこまで成長できるのか
- どのようなリスクがあるのか
例えば、飲食店を運営する会社であれば、
商品の評判が良く、既存店の売上も伸びている。
現在は関東中心だが、全国に出店できる余地がある。
今後店舗数が増えることで利益も伸びる可能性がある。
一方で、人件費や原材料価格の上昇がリスクになる。
というように整理します。
資料では、新しい事業の成長を次の3段階に分けています。
第一段階:成功するかまだ分からない
新規事業を始めたばかりで、顧客に受け入れられるかが分からない段階です。
成功すれば大きく伸びる可能性がありますが、失敗するリスクも高い状態です。
第二段階:成功が確認され、成長余地がある
商品やサービスが利用者に受け入れられ、収益が伸び始めた段階です。
成功がある程度確認でき、さらに店舗や市場を広げられる可能性があります。
資料では、この第二段階を購入候補として注目しています。
第三段階:成長しきり、成長率が鈍化する
市場への展開が進み、新しく成長できる余地が少なくなった段階です。
会社としては安定していても、以前のような高い成長率を維持することは難しくなります。
単に「良い会社か」だけではなく、現在どの成長段階にいるのかも考える必要があります。
8.購入後も会社のストーリーを見直す
株を購入した時点で調査が終わるわけではありません。
数か月おきに、購入時に考えた成長ストーリーが現在も成り立っているかを確認します。
例えば、
- 売上や利益は想定どおり伸びているか
- 新しい店舗や商品は順調か
- 競合企業が増えていないか
- 利益率が悪化していないか
- 経営方針が変わっていないか
- 新たなリスクが発生していないか
などを確認します。
株価が下がったから売る、上がったから持ち続けるのではなく、購入した理由が現在も成り立っているかを基準に判断する方法です。
投資情報を管理するアプリが欲しい
今回の内容を整理すると、成長株を調査するためには、かなり多くの情報が必要になります。
- 売上高や利益の推移
- PERやPEG
- 財務状況
- 事業の収益構造
- 会社の分類
- 成長ストーリー
- リスク
- 購入後の確認内容
これらを複数のWebサイトや資料から調べ、継続的に管理するのは大変です。
そこで、必要なデータを簡単に取得でき、会社ごとのストーリーや調査結果も管理できるアプリがあると便利だと感じました。
そのため、自分が使いたい投資アプリを、自分で作ってみることにしました。
『わが投資術』と組み合わせて考える
第2回では、『わが投資術』から割安株の探し方を学びました。
第3回では、『ピーター・リンチの株で勝つ』から、成長企業を探して調査する流れを学びました。
2冊の内容を組み合わせると、私が探したい会社は、
現在は割安に評価されているものの、今後利益が成長する可能性がある小型株
という形になりそうです。
まずPER・NCR・CN-PERなどで割安な会社を絞り込み、その後、
- 売上や利益は成長しているか
- 成長率に対して株価は高すぎないか
- 今後も利益が増える理由があるか
- 財務状況に問題はないか
- 成長ストーリーが成り立つか
を確認します。
この流れをアプリ上で行えるようにしたいと考えています。
次回は、2冊を読んで考えた「割安小型成長株を探すための投資アプリ」の構想を紹介します。
まとめ
今回学んだ成長株探しの流れは、次のとおりです。
- 身近な商品やサービスから候補を見つける
- 会社を6つのタイプに分類する
- 会社の事業や特徴を確認する
- 売上・利益の成長率やPEGを見る
- どのように利益を増やすのか調べる
- 借入・キャッシュフロー・在庫などを確認する
- 自分なりの成長ストーリーを作る
- 購入後もストーリーが成り立っているか確認する
商品が良いという理由だけでも、数値が良いという理由だけでも、投資先を判断するには不十分です。
身近な気づきから会社を見つけ、事業内容と数値の両方を調べ、今後の成長を自分の言葉で説明できる状態にすることが大切だと感じました。
今回の内容はYouTubeでも紹介しています。
【今回紹介した本】
ピーター・リンチ『ピーター・リンチの株で勝つ』
※この記事は、書籍を読んだ私個人の解釈と学習記録です。特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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